
できるだけ効率よく漢字を学ぶための方法をご紹介する2回目。今回は“想像力”も使って、漢字を使う場面や状況、漢字の意味から関連性を考えるなどして、学習を広げていきます。知っている・使える漢字が増えると、仕事への自信やモチベーションにも繋がりますよ。
Contents:
④ いつ、どこで使うのか? 考えながら覚える
その漢字が使われる場面や状況をイメージしながら勉強すると、記憶に残りやすく、実際の場面で使えるようになります。
「食」 ~食べる、食べ物 → 食事/食堂/朝食/食欲/制限食
・食堂で食事の介助をします。
・今日の朝食はパンとスープです。
・鈴木さんは制限食を食べています。
「洗」 ~洗う → 洗濯/洗面/洗剤
・洗濯物をたたみます。
・洗面所で歯をみがきます。
・洗濯機に洗剤を入れて洗います。
⑤ 漢字の部首を手がかりに考える
関連性のある言葉を覚えることができます。
「さんずい」 → 水に関連する漢字 → 池・海・洗・波・涙など
「やまいだれ」 → 病気に関連する漢字 → 病気・病院・頭痛・症状・大腸癌・治療・湿疹など
「にくづき」 → からだに関連する漢字 → 腹・胸・腰・肺・胃・骨・脳・肌など
⑥ 漢字を基に言葉を広げて、様々な言葉を覚える
イメージを膨らませて次々に言葉を考えてみましょう。例えばこの字から、どんな言葉を思い出しますか?
「急」:意味は?……急ぐ
→この字を使った言葉は?……急病、救急車
→急病人、救急車はどこへ行く?……病院
→病院にはだれがいる?……医師、看護師、病人、など
「病」:意味は?……からだが悪くなること
→この字を使った言葉は?……病気、病人
→病気の名前は?……(利用者さんを思い出して、考えてみる)
職場の友人、施設の利用者さんたちにも協力してもらい、例えばクイズ形式にして漢字を学習するのもおすすめです。ひとりで学ぶよりも仲間と一緒だと、楽しさも増して漢字学習も効果的。毎日続けられるように皆さんで考え、試してみてくださいね。
*推薦テキスト
『介護の言葉と漢字ハンドブック』 英語、インドネシア語、ベトナム語、スペイン語版
一般社団法人 国際交流&日本語支援Y著 2,860円(税込)
https://shop.jicwels.jp/view/item/000000000009?category_page_id=words_and_kanji
基本漢字300字を学習した外国人介護従事者が対象。主に介護に特化した漢字、語彙を紹介し、辞書としても使えます。副教材として、ワークブック、ドリルもあります。
※基本漢字300文字は、JLPT(N4)レベル合格に必要な漢字数です。
(監修)青井恵理
一般社団法人国際交流&日本語支援Y 講師。2011年よりEPA経済連携協定で来日した外国人介護福祉士候補者への学習支援業務に従事。現在は技能実習生や特定技能で来日した外国人介護人材に対する教育に携わる。日本語教師養成講座420時間修了。日本語教育能力試験合格、社会福祉士