日本でケアマネージャーとして働く外国人のリアルストーリー 2

日本でケアマネージャーとして働く外国人のリアルストーリー 2

EPA介護福祉士候補からケアマネージャーとなった、香川県高松市の「老人保健施設健祥会バーデン」に勤めるディッキ ヨナタ(DICKI YONATA)さんへのインタビューシリーズ。2回目は、ケアマネージャー資格試験に向けてどのように勉強したか、教えていただきました。

 

ディッキ ヨナタさん

インドネシア、スマトラ島出身。2012年EPA介護福祉士候補として来日。2015年に介護福祉士、2021年に介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格を取得。同年に結婚、二児の父親でもある。

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ケアマネージャー試験合格への勉強法

ケアマネージャー資格の試験勉強は、1年前から始めました。仕事の日にまとまった勉強時間を取るのは難しいので、まずは1回10分でもいいから合間を見つけて勉強し、それを毎日続けようと考えました。そして、休憩時間のたびにスマホのKindleアプリで参考書を読むようにしました。帰宅後は入浴中に暗記したり、就寝前に過去問題を解いたりをコツコツ続けました。さらに、試験の1カ月前には連休をとり、毎晩3時まで勉強しました。

 

私は、介護保険制度など法律関連が難しく感じました。ただ資格取得のためには、勉強するしかありません。計画して、続けることが肝心です。試験の1カ月前に連休を取りましたが、職場の人たちも応援してくれました。どこの施設でも皆さん応援してくれると思いますよ。

 

日本語能力は、N2があればいいのではないでしょうか。私の場合、日本語の勉強は、EPA制度で来日前に半年、その後日本に来てから本格的に学びました。来日1年目にN3、2年目にN2、介護福祉士を取る前にN1を取得。N1を取って、介護福祉士、ケアマネージャーを取得しようと計画しました。

 

日々の仕事は、1人3役

現在は、介護福祉士と管理職、ケアマネージャーの仕事を担当しています。介護と管理職が6〜7割、ケアマネージャーが3〜4割の割合です。日中は介護と管理職の仕事が多く、カンファレンス(利用者さんの状況など話し合う担当者会議など)、モニタリング(利用者さんと一対一で話し、不安、不満などについて聞く)、スタッフの相談などに対応しています。ケアマネージャーの仕事は、その合間や夜勤時に行っています。

 

ケアマネージャーは、施設で中心的な役割を果たします。リハビリ計画や栄養計画がスムーズに進んでいるかなど、全体を俯瞰しています。私が所属する健祥会バーデンにはケアマネージャーが3人所属し、他の2人は日本人で管理職兼ケアマネージャーと、ケアマネージャーが主担当の方々です。ケアプランの作り方、コミュニケーション、担当者の割り振りなど3人でよく話し合っています。私は現場の介護もしているので、仕事には区切りがありません。忙しそうと言われますが、残業のない職場で、楽しく働いています。

 

介護で大切なのは、やはり「寄り添う」こと。そして利用者さんの希望を、第一に考えることだと思います。ケアマネージャー向きなのは、相手の話をじっくり聞ける人、人の幸せを本気で考えられる人、さらにパソコンが好きな人(笑)。書類作成が多いので、日本語力は必須です。